矯正治療をするには抜歯しないといけませんか？
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「抜かずに治す矯正」という言い方で、何か特別な技術があるかのような広告をしている歯科医院もありますが、例外なくすべての症例を非抜歯で治療するというのは不可能です。これは乱杭歯を並べることができないということではなく、矯正治療後の歯並びが何年も安定しているかとか、矯正治療によってバランスのとれた美しい口元が得られるかという観点で見て、無理があるということです。ただ単に、ガタガタした歯並びをそろえるというだけのことなら、誰がやっても矯正装置をつければできることです。
矯正の専門医は誰でもまずは歯を抜かずに治せるかと考えます。その上で、安定した咬み合せや美しい横顔・口元を得るために抜歯が必要かどうかを判断しているのです。
逆に矯正治療は必ず歯を抜くものというのも誤った考えです。場合によっては不必要な抜歯により、治療が困難になったり、口元が引っ込みすぎてしまうことだってありえるのです。
どの専門医も非抜歯で治療した症例などたくさんあるはずです。あえて言っていないだけのことです。
永久歯を抜くことが諸悪の根源だとか人の体に不必要なものはないといって抜歯を伴う矯正治療を罪悪視するのは医療というより、宗教のようなものです。特殊な技術があるので、他院ではできないことも可能だというのも広告に過ぎません。
大切なことは最終的にどの歯をどの位置に並べるのかということを考えて、そのためにはどこの部分にどれだけのスペースが必要だとか、臼歯の固定（維持）をどうするのかということがきちんと計画されているかということです。それなくして、抜歯・非抜歯を論じても勘でできる、できないを言っているに過ぎないということです。
